IRONMAN JAPAN HOKKAIDO 2013
アイアンマンジャパン北海道洞爺参戦記
----羊蹄山の雨雲は微笑んだか----
31 September,2013
SWIM3.8km・BIKE180.2km・RUN42.2km / TOTAL226.2km
By 槇本 深 / Fukashi Makimoto

|バイクコース紹介|Photo Gallery|
"Fukashi Makimoto." "You are an ironman!" "Yattah!" ウイットさんのアナウンスが洞爺湖畔に響いた。 還暦以後5年になろうとしている。 この間、アイアンマン西オーストラリアのフラットコースは3度完走している。 いちおうアイアンマンの端くれだ。 しかし、アップダウンのあるタフなコースでは制限時間オーバーで通用しない事を痛感していた。 フラットコース限定のアイアンマン。 なんとかその「限定」をはずしたかった。 そして、今回タフなコースで完走出来た。 過去7年くらいさかのぼって最高のパーフォーマンスを発揮できた。 まだまだやれる。いやまだ進化できる。 大はしゃぎはしないが、静かな、しかし確かな重みを持った喜びがこみ上げてきた。
プロローグ アイアンマンジャパンが3年ぶりに日本に復活する。それも地元北海道の洞爺湖畔で。 そのニュースを聞いて「とてもいいんじゃない」って人事のように感じていた。 それはかってのアイアンマンジャパンにおいては、琵琶湖でも、五島でも、世界のアイアンマンの基準からはずれて17時間ではなく15時間の制限時間しかなかったからだ。 制限時間17時間をアイアンマンスタンダードにしたのは、アイアンマンの創始者、ジョンコリンズがエリートアスリートだけの大会にしないように、幅広く、一般の底辺のチャレンジャーも大切にしたいとの思いからだった。 これはアイアンマンの根本精神として守られている。 世界中のアイアンマン大会がスタンダードとして定めた、制限時間17時間を守っていたのに対して、日本だけがスタンダードからはずれて15時間の制限時間を設定していた。 ![]() 交通事情とかいろいろと理由はあるのだろうが、世界では大都市のアイアンマンレースでも17時間の制限時間にしてある。 私のような底辺アスリートには日本のアイアンマンはハードルが高すぎた。 これまで、海外のアイアンマンばかり参加して、国内レースを避けていたのはそういった事情からです。 それでも地元開催なので、いちおう出場して、バイクまでなら制限時間内で何とかやれるかもしれない。 枯れ木も山の賑わいの一つになろうかと考えていた。 徐々に大会の概要が明らかになるにつれ制限時間が17時間という報に接した。 これは以前のアイアンマンジャパン琵琶湖や五島とは、主催者の気合の入れ方が違う。これは本気でやってみようという気になってきた。 しかし、バイクコースの概要が示され、2000m近い(1892m)累積獲得標高という。 羊蹄山1898mを一回登るのと同じ標高差を上下する。 横津岳(1160m)までなら2回。城岱スカイライン(572-145m)なら4回上下する標高差。 オー!クレージイ。 フラットコースと比べて1時間以上は余計にかかる。 タフなコースだ。やってやるぞ。 78kgから74kgへのダイエット成功。 横津岳や、鉄山、恵山などへ坂を求めてバイク練習。 スイムはうちの奥さん(槇本美恵子、マッキー、タマ、おたまさま、などいろんな名前があるが、本人はタマが好きらしいので以後タマと呼びます。)に付き合ってそこそこ泳いでいる。 当分タマ(マッキー)と併記しますね。 通勤ランは週三回。 途中、Ironman70.3Japan2013セントレアで、バイク平均時速30kmを保って巡航できた。 十分に時間を余して、完走できた。 調整成功。 8月には函館トライアスロンクラブの洞爺湖合宿が行われた。 コースの概要を聞いて、静かに闘志を燃やした。
夏合宿には、タマ(マッキー)とその友達茨城の西口明子さんも参加した。 西口さんにバイクの乗り方をいろいろ教わったらしい。 4日間みっちりとバイクに乗り十分な練習ができたようだ。 私は行けなかったが、タマ(マッキー)にいろいろと様子を聞いた。 そのときはとても暑く、また洞爺湖の水もぬるく、水着のスイムで全くストレスなく快適に泳げたとの事。 ひょっとするとウェットスーツ禁止になるのでは?とまで心配していた。 昨年は9月半ばまで猛暑が続いた。 北海道マラソンも、陸連の肝いりで暑さに強い選手を見出すためわざわざこの時期を選んで開催されている程。 猛暑とウェットスーツ無スイムを想定して覚悟をきめた。 日焼けの下地を作ったり、市民プールでスイム後サウナに長く入って発汗したりなど、それなりに猛暑への備えをしていった。 8月29日木曜日洞爺湖へ移動。 茨城の西口明子さんも一緒です。 仕事などの制約の中、自分なりにやれるだけのことはやった。あとは天命を待つのみ。 バイクの坂がとても気になる。 別に坂に弱いわけではない。つらいわけでもない。弱音を吐いているわけではない。 ただ時間がかかる。 ランに残す時間が減る。そういった意味で、勝利へのハードルが上がることを心配しているだけだ。 よく、半端に強いやつと話すと、あのくらいの坂へっちゃらだよ。とか、そんなに風は辛くなかった。などと返ってくることが多い。 ああ通じていないなと感じる。わかるかな?わかってほしいな。 同行の西口さんはトップアスリート。ちゃんとわかってくれる。 話がはずむ。西口さんにさらに詳しくバイクコースの様子を教えてもらった。 勝負のキモとコースのアヤとを的確に説明してもらい、レース当日大いに役に立った。 大学時代はフィギアスケートをやって、2回転ジャンプまでやっていたそうだ。 札幌オリンピックのジェネットリンくらいのレベルかな? あと女子サッカーの草分けをやっており、全日本レベルでかなり活躍していたらしい。 鍛え上げた見事な脚で、外股で豪傑歩きをする。若いころはオヤジと呼ばれていたそうだ。 とっても豪快でいい意味で男っぽいひとだ。 もちろん本人の名誉のために言っておくが、良く見ると女性らしい魅力と繊細な気遣いにあふれた人だ。 函トラの男性陣もバイクではたじたじになるほどのパワー。 うちのタマ(マッキー)といい、西口さんといい、エイジのトップアスリートに囲まれての旅であった。 ともあれ、ランに7時間残せるかどうか? 完走できるかどうか、この一点にかかっている。まあ気にしてもしょうがない。
ミスなく準備をして無駄に体力を消耗せず、十分に食べて寝てそれだけに集中しよう。 前に洞爺湖に行ったときは、山の上に一度上がって迂回して入っていった記憶がある。 今は立派なトンネルができており、高速や国道からすぐに湖畔に入ることができる。 競技説明会を受けて、参加登録をしてエキスポをゆっくり見たかったが、小雨が降り始めて退散。 いろいろと買いたいものがあったが残念。 夜はカーボパーティ。 ご馳走はないが、ジャガイモ、塩辛、バターなど地元特産品も豊富。 それなりに美味で、十分にカーボローディングできた。 カーボパーティのあと、宿泊ホテルのバイキング料理もまた食べなおす。 食欲増進のため、ビールジョッキ一杯だけ(大ジョッキ)飲む。 今日と明日はともかく食べまくること。 夜は湖畔の花火をホテルの窓から優雅に眺めて夜9時過ぎに、バタンキューと眠った。 レース前は興奮して眠れないことが多いのでファンケルの快眠サプリとマイスリーという一番軽い睡眠誘導剤を用意している。どちらも飲む前に眠ってしまった。 用意しているという安心感だけで十分だった。 8月30日金曜日 ![]() 5時前にトイレに起きるが、そのまま起きる。 このリズムは、レース当日ちょうど良い。 今日はバイクとトランジッショングッズの預託だ。 ホテルは万世閣(右写真)。 カーボパーティ、アワードパーティ、ゴール会場となっておりとても便利。 スペシャルエイド用に、みかん、トマト、にんにく、お茶などを買い揃えてエイド物品を整備。 何度もグッズを点検して預託に向かう。 トランジッションまで長い。2km近くある。往復4km。 別に疲れるわけではないが、無駄に筋肉に貯めたグリコーゲンを減らしたくない。 駐車場は一杯。路上 駐車も一杯。自分も含め、大部分の人は徒歩で向かう。 バイク預託がすんだら、後は無駄に疲れないように静かに休む。 夕食はホテルのバイキング。 稲岡先生と同席。いろいろと語り合う。 しかし稲岡先生の練習量はすごい。 また食事や飲酒の節制も徹底している。アスリートの鏡だ。 見習いたいが、こちらは意志が弱い。まあ底辺アスリートとしてどこまで続けられるか。 自分としては継続が大事で無理をしないでと思う。 しかしやはり少しは見習ったほうがいいのだろうな。 いっぱい食べる。ビールもジョッキ一杯。 花火を見終わったら眠る予定。 花火の前に半分眠り、花火の音と明かりを夢ごこちでみる。 花火の打ち上げ場所が目の前からサンパレス方向に遠ざかるにつれ、終わらないうちに、再び眠りに落ちた。 薬は用意だけで済んだ。 モーニングコールは4時45分にセット。 8月31日土曜日 いよいよレース当日。 前日渡されたおにぎりをぱくつく。 JTBからなのか、ホテルからなのかはっきりしないがコンビニのおにぎり2個とパン1個だけだった。 これにはがっかり。これなら自 分で用意しておいた方が良かった。なにか、唾液が出なくて、まだ胃腸が動いていない。 そこで、ゴール後食べようと思ってとっておいたカップめんを食べる。 カップめんのスープがおなかを温め、ようやく胃腸が目覚め配給朝食も全部平らげることができた。 タイミングチップを足首に巻く。 そして、スイムバッグに、ウェットスーツ、ゴーグル、スイムキャップ、空気入れ、サンダル、バイクのスタートドリンク、弁当ボックスに収める補給食などを収め、これを肩にかけてさあ出発。 ホテル前にタクシーがいたが予約の表示。 フロントに聞くと、予約だけとのこと。来年からは予約を入れておこう。 2kmを歩いて、トランジッションに向かう。 バイクに補給食とドリンクをセット。スイム会場に向かう。 スイムスタートはなんと珍古島という所。 女子選手がとても口に出して読めないとぶりっ子していた。
天気は薄日が差して少し青空が見える。風はなく、湖面は鏡のよう。 これはタマ(マッキー)のスイムは心配ないだろう。 天気予報では、倶知安地方(バイクコース)では、夕方から雨。室蘭地方(ランコース)では昼過ぎから雨。 バイクで何とか天気がもって、ランでは小雨だろうと予想。 (この予想は外れてとてもタフな大会になる。) スイムは6:00にプロがスタートして、エイジグループは2分刻みのウェイブスタート。 女性と60歳以上男性とあわせて最後のウェーブ。 6:22スタートとなる。 バイクカットオフは16:52、ゴールカットオフは23:22 自分としては16:22前にバイクゴールできるかどうか、これが勝負の分かれ目と考える。 函トラの仲間と家族がいろいろと応援に来ていただいていた。ありがとうございました。 スイムスタートの柵内に入ると後は選手のみ。 静かにスタートを待つ。スタートのホーンがなる。 長い一日が始まった。 スイム編 波はなく静か。 水はきれいだが、前日の雨で、透明度はそこそこ。 秋の気配を感じる気候でもちろんウェットスーツOK。 スイム前、水を補給したいと話したら、谷さんが水なら目の前にいっぱいあるじゃん。 そう文句なし飲めるきれいな水です。 ![]() 水中視界は2−3mというところ。 本来なら底まで見えて、泳ぎが苦手な人は恐怖を感じると主催者が言っていた。 みてみたいものだ。 出続ければ、そのうちそのようなシーンもみられるだろう。 今回は平均的な透明度。 ウェーブスタートなのでバトルはほとんど無い。これは安全でよい。 主催者の判断に感謝。 海水と異なり、淡水は水ののりがわるく重く感じるのではと心配していたが、稀有に終わった。 水に良く乗る感じ。 私は本来左顔上げクロールなのだが今回は時計回りのため、右顔上げにチャレンジ。 本来は右利きのため、この方がパワフルに泳げる。 ただ、慣れていないため位置確認や、波や隣の泳者のしぶきなどに対する応用動作に少し不安がある。 そのような時は慣れた左顔上げで対処。 ブイをひとつ過ぎるころ大体落ち着いて、周りは自分と同じ泳力の者が集まる。泳ぎが安定してきれいなターゲットを探す。 そのすぐ後ろにつき、泡を下に見ながら泳ぐ。 ![]() ヘッドアップしなくてよく楽に泳げる。 合法ドラフティングです。 ブイが近づいたり、泳者が固まったりした後ターゲットを見失う。 しばらく次のターゲットを探す。これを繰り返し淡々と泳ぐ。 タマ(マッキー)のスイムに付き合ってスイム練習はそこそこしているためか水に良く乗りスムースに進む。 競技説明会が行われた洞爺湖ビジターセンターの下、ホテルニュー洞爺湖の下あたりに折り返しのブイがある。 そこから、北海ホテルの下あたりのブイを超えて、珍古島に戻る。 もう一周して、北海ホテルの下あたりでゴール。 有珠山噴火記念公園にあるトランジッションに入る。 1時間27分01秒 とても快調なスイム。 西オーストラリアで出した1時間35分が今までのベスト。 わたしにとって一気に8分も短縮するベストレコードでした。 バイク編 トランジッションで荷物を取る。下一桁順にラックが並んでいる。 セントレアで2回経験してもう慣れた。もう迷わない。 着替えテントは一杯。 裸にならないで済む人は外でも良いとのこと。 傍の芝生でウェットを脱ぎ、バイクシューズをはき、ヘルメットをかぶり、バイクラックに向かう。 自分のカテゴリのバイクはまだ半数以上残っている。 よくやった。 ![]() スイムとトランジッションはよく健闘した。 バイクラックで自転車をとり、トランジッションエリアは押して走る。 前日の雨でぬかるんで、自転車が泥だらけになる。 バイクスタート前にトイレに入りさあバイクスタート。 天気はうす曇。暑くなく快適。 風も無風ないし微風。絶好のコンディション。 今日は曇りなので恩恵は感じないが、湖畔1周道路は緑が濃い。 緑のトンネルとなって炎天下でも緑陰がある。 左(東)に湖面、右(西)に緑深い山がありとても癒されるはずです。 路面はほぼフラット。 標高30m弱のアップダウンが1ヶ所あるが、元気一杯の往路は、特にどうということは無い。 試走した人は疲れた帰りには意外とうんざりすると言っていた。 心に留めておこう。 湖畔道路を四つに分けて、西側。 この真ん中あたりに、三恵病院がある。 洞爺湖マラソンの時は職員とともに、車椅子のじっちゃんとばっちゃんが応援してくれていた。今回は職員だけだった。 トライアスロンは長すぎると思ったのかな? ここらあたりで、湖畔道路は北向きから、北西向きとなる。 約24kmで、132号の向きが西向きとなり、出発した湖畔のちょうど反対側に到着。ここで132号は終わる。 公園がありその中に入っていくと、「とうや水の駅」に到着する。 ここらあたりはきれいな公衆トイレがいくつかあり、トランジッションのトイレを混雑してパスしたときは、ここで用が足せる。 覚えておこう。 涼しいので補給ボトルの水は少ししか減っていない。エイドはパス。 ここから洞爺湖の外に出るヒルクライム。 標高90mから264m。174mのアップヒル。 平地で時速30km位で快調に飛ばしていたものの、ここにきてメッキがはがれる。 どんどん抜かれる。体重74kgが恨めしい。せめて切りたや70kg。 ちなみに私の身長は169cmです。 ただ78kgの時と比べれば格段に楽。 苦しさは感じない。 横津岳ヒルクライムと、恵山のふるさと林道2往復の練習を思い出せ。このくらいは平気平気。 ヒルクライムが終わると洞爺湖の外に出て、国道を横切り農道へ。 国道は大渋滞。見渡す限り車の列。 ものすごい車の列がせき止められていました。ごめんなさい。そしてありがとう。 すぐに280号を横切る。またまた長い車の列。すみません。 ここらあたりから緩やかな下り。 フラットに見えます。 ただスピードアップするので、だらだら下りとわかります。 帰りも通り今度はだらだら登りとなる。覚えておきましょう。 帰りはたぶん疲れていて、フラットに見えてスピードが落ちる。 気がつかないとへこみます。 そして道なりに進むとやがて谷へ。 この坂は7-9%くらいあり最初の直線が長く最高速度が出せます。 直線の急坂を下り、左に大きく曲がる。 ここまでです。 ここからは慎重に。 右に急カーブを切るとT字路へ。 最後の右急カーブは出口にすぐT字路が待っているので、減速する必要があります。 ここで函トラの冨田さんがボランティアで減速の声がけをしていたと後で知った。 さらに長いヒルクライムのあと京極町に到着。 ここで谷さんが追いついてきた。調子いいね。と声をかけてくれる。
ここであったのが意外との響き。 昔オロロンをともに戦ったが、その後サロマ100kmを何度も完走している格上。 抜かれたとはいえ遭遇しただけでも悪い気はしない。 今日は調子良いのだと言い聞かせる。 ここらあたりまでは至福の時間帯であった。 日差しが無い。涼しい、風がほとんど無い。 アップダウンがあってもさほど疲れない。絶好調。 しかし、本来なら右手東側に羊蹄山が見えるはず。 重く雲が垂れ込め何も見えない。 うす曇だったのが本曇りになってきた。 少し暗くなる。周りの景色が見えない。 少しガスもかかる。 ここからは、緩やかな下りが続き、スピードを楽しめるところと聞いていた。 しかし、だんだんと雲行きが怪しくなる。 そして雨が降り出した。シャワーのようで気持ちよい。 冷え性のタマ(マッキー)はつらいだろうなとふと思う。 羊蹄山の雨雲は私のような天然断熱材が豊富なぽっちゃり系に微笑んだようだ。 タマ(マッキー)はそろそろ追いついて来る頃と思われるがまだこない。 視界はかろうじて前が見え走行には支障なし。 ただすばらしい絶景であるはずの景色はまったく見えない。 そしてせっかくのダウンヒルも、路面が滑りそう。 60kmくらい出せそうな直線下りでもブレーキングしながら40kmくらいで。 50kmくらいで突っ込めそうな広いコーナーでも、30kmくらいに減速を余儀なくされる。 苦労したアップヒルのご褒美がない。 スペシャルエイドがかなり後半になってある。 みかんを置いていたが、暑くなくのども渇いていなかったのでパス。 アップダウンを繰り返し、やがて長いダウンヒルの終わり頃、赤い橋のループに至る。 ここはとても記憶に残るところ。 洞爺湖外のメジャーループがもうすぐ終わる。そして例の谷のT字路に戻る。 最高速を出し たダウンヒルが今度はアップヒルとなって待ち構える。自転車から降りて押している人もいる。最後のメジャーアップヒル。 最後だと思うと意外に気が楽で早くは無いがストレスなく登る。 上り終えた後平らに見えるが、実はだらだらの登り。向かい風と重なり、スピードメータは20kmを切っている。 調子が悪いわけではない。 もう着いたような気になりホッと気が緩むとすごく遅くなるところ。冷静になろう。 そして気を緩めずがんばろう。 もと来た農道を進み、道道と国道230号を横断する。 ダウンヒルして、洞爺湖に戻ってきた。あとはフラットな湖畔道路。 やれやれ。 だが試走した西口さんのアドバイスを思い出す。 着いた気になって気を緩めると、結構長くてうんざりする。 疲れた足には30mのアップダウンもこたえている人が多かったと。 気を引き締めて進む。結構ここで前走者をパスした。 30mのアップダウンもあらかじめ覚悟しておくと、どうということは無く、無事終了しひたすら洞爺湖温泉街に向かう。
スピードメータ走行距離が175kmになると、気持ちをランに切り替える。 トランジッションのシミュレーションをして、ポケットや弁当ボックスの中身を点検。 ランに持っていくもの、置いていくものの仕分けをする。 温泉街に着いて、湖畔遊歩道に入る。 ここで段差を板でカバーしているところがあった。 晴れならどうということはないが、雨で濡れてとても滑りやすそう。 後で聞くと何人も転んだらしい。 ボランティアの人がスローダウン、滑ります。危ないです。 と大声で呼びかけてくれる。 指示には従わなくては。 ここまでしてもらって転んだら自己責任です。 バイクゴール。 バイク所要時間 8:04:39 ラン編 トランジッションに入りバックをとり、靴を履き替えヘルメットを脱いでしまうだけ。 あとは、補給食を大急ぎで食べる。 トイレに行って、さあランスタート。 スタートから9時間46分くらい。ゴール閉鎖まであと7時間14分。 大丈夫かも。勝利の希望がわいてきた。 私なりに足取り軽く出発。
函トラチームの家族の人たちが大きな声で応援して見送ってくれる。 勤務先の職員も応援してくれた。 湖畔遊歩道を東に。 折り返し手前に万世閣があり、そこの庭がゴールになっている。 エリート選手たちのゴールを横目に見ながら、折り返し、遊歩道を西へ。 噴火記念公園にあるトランジッションを横切り、湖畔一周道路を反時計回りに進む。 地元なのでわかっているが、晴天で日没前ならため息が出そうなくらいの美しい景色に癒されるはず。 濃い緑のトンネルで炎天下でも緑陰に守られる。 今日は雨。遠くから来た人に絶景を見せられなくて残念。 バイクで強かった雨は、小雨になっている。 しのぎやすい。 キロ9分を切るペースで進む。折り返すと9分台に落ちる。 しかし、キロ10分と仮定すると、ちょうど7時間。 十分に貯金できた。 後半キロ10分に落ちても、30分余してゴールできる。楽勝。 こんなに余裕をもてたのは久しぶり、いや初めて。 制限時間に追われ、選手回収車に追われるいつものレースと違う。 いいなあ。 しあわせだなあ。 1周目終了。
2週目キロ10分に落ちる。 折り返しが近づく頃花火が始まった。対岸に近いが、結構遠くでも花火が見れる。 走りながら視る花火も結構乙なものだと思いながら走る。 ようやくタマ(マッキー)が追いついてきた。 寒さでこちこちになり、筋肉が動かなくなったらしい。 タマ(マッキー)の来年のハワイはお預けになりそうだが、完走は何とかできそう。 折り返して、復路。 ゴール地点から空にサーチライトを照らしている。 ゴールはここだよと示している。 温泉街の明かりが遠くに見える。 完走を確信できると、気が緩みペースが落ちる。 いつもの緊迫感が無い。なにか目標を作らなくては。 そうだラン7時間切りにチャレンジだ。 キロ10分を少し超えるペースで淡々と走る。 トランジッションに入る手前、湖畔道路から、国道に出るところ。 ここは歩道と路肩を走る。 20mくらいのアップダウンがある。 つかれ切っていたら、そして制限時間の余裕があればご褒美にゆっくり歩いてやろう。 と考えていた。 ![]() しかし、さほど苦も無く淡々と駆け上り通過した。 やっぱりラン7時間を切るぞ。 トランジッションに入ると応援が多くなる。 湖畔遊歩道に出る。ここはゴールへの花道。 長いが苦にはならない。 晴れていれば鈴なりの応援があってもいいが、残念ながら雨が降っている。 かさをさしたり、カッパを着て応援してくれている人もいる。 しかし、1.5kmの長い花道を埋めるほどではない。 考えてみると、チャンピオンシップのAliDriveよりも長いな。 600mの間、肩がぶつかるほど人で一杯のAliDrive。 ここも回数を重ねて盛り上がってくれば、人で一杯の1500mの大花道はすごいだろうな。などと想像しながらゴールに向かった。 遊歩道から万世閣の庭に入りゴール。 白戸太郎さんが握手をしてくれた。思わず17時間ありがとう。と話した。
17時間の制限時間を実現するのは大変だっただろう。しかし、これで世界スタンダードの文句なしのアイアンマンレースになった。 そして、私のような高齢底辺アスリートでも超えられるハードルに降りてきてくれた。 白戸さんをはじめ、この大会を立ち上げた関係者の皆様の尽力に感謝した次第です。 第一回大会ということもあり、ボランティアの人たちもやることはきちんとやってくれていたが、どうやって応援していいか? 何を声かけすればいいか? わからなくてシャイで戸惑っている青少年も多かった。 会を重ねるにつれ盛り上がってくるでしょう。 雨で凍えるタフなコンディションだったが、晴天なら心癒される絶景にあふれる名コース。 世界指折りの名コースといわれる日が、必ず来るであろう事を確信した一日でした。 至福の一日が終わった。 Fukashi Makimoto M65-69 スイム 1:27:01 カテゴリ 6位。 バイク 8:04:39 カテゴリ10位。 ラン 6:57:00 カテゴリ 9位。 総合 16:43:31 カテゴリ 9位/9/14。(位置/完走者母数/出走者母数) 総合 1223位/1238/1367。 Transition T1: SWIM-TO-BIKE 8:58 T2: BIKE-TO-RUN 5:53 |
| Name | Swim | Bike | Run | Finish | Div. Rank | Overall Rank | Division |
| Masaru, Iizuka 飯塚優 |
1:01:50 | 6:04:22 | 4:53:26 | 12:17:24 | 28 | 309 | 30-34 |
| Kazuya, Sukegawa 祐川和也 |
1:40:56 | 6:45:58 | 4:12:56 | 13:07:02 | 44 | 485 | 30-34 |
| Takaaki, Yamazaki 山ア貴明 |
1:11:51 | 6:11:07 | 3:49:08 | 11:24:12 | 29 | 146 | 35-39 |
| Tomohiro, Fuse 布施倫宏 |
1:03:13 | 6:17:19 | 3:34:22 | 11:06:19 | 25 | 105 | 40-44 |
| Tosihiro, Ikeda 池田敏弘 |
1:16:50 | 6:47:29 | 4:20:08 | 12:41:28 | 82 | 397 | 45-49 |
| Yasunori, Sugimura 杉村保則 |
1:12:39 | 6:16:12 | 3:33:24 | 11:10:20 | 9 | 112 | 50-54 |
| Yoshihiro, Sato 佐藤義裕 |
1:25:09 | 6:54:54 | 6:01:41 | 14:42:22 | 113 | 843 | 50-54 |
| Noriyuki, Maeda 前田紀幸 |
1:06:28 | 6:26:09 | 4:08:28 | 11:52:08 | 6 | 223 | 55-59 |
| Shinichi, Nakanishi 中西新一 |
1:25:29 | 7:06:08 | 5:30:13 | 14:18:45 | 25 | 757 | 60-64 |
| Masami, Inaoka 稲岡正己 |
1:26:53 | 6:39:35 | 4:56:51 | 13:26:50 | 15 | 560 | 60-64 |
| Fukashi, Makimoto 槇本深 |
1:27:01 | 8:04:39 | 6:57:00 | 16:43:31 | 9 | 1223 | 65-69 |
| Mieko, Makimoto 槇本美恵子 |
1:57:25 | 7:47:11 | 6:15:00 | 16:19:05 | 2位入賞 | 1166 | 60-64 |