2007 IRONMAN JAPAN参戦記
in 五島・長崎 2007.6.17

〜Sugimura〜  



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〜プロローグ〜

トライアスロンデビューとなった2006年のオロロンで、思いがけないほどの高順位でフニッシュすることが出来たが、初心者であるスイムとバイクでは会心ともいえるレース展開に比べて、随一の経験種目であるランでズタボロになり、おまけにゴール後には点滴、救急車デビューまでしてしまった。 

我が家の鬼嫁には「鉄人と呼ばれる人には程遠い」とまで言われる始末、リベンジするにもオロロンは終わってしまった。
身体的には完全燃焼であるが、精神的には、燃えカスだらけだった。 
               
函館ハーフマラソンが終わった頃だったろうか?我が家の財務大臣に「2年後くらいにアイアンマンジャパンかコリアに行きたい」と言うと、妻「・・・来年でもいいよ」夫「・・・えっ?」妻「だから・・・どっちでもいいよ」夫「・・・何があった!どうしたんだ!どうしてそんなに機嫌がいいんだ!義理の母でも亡くなったのか〜」そんなこんなで、アイアンマンへの挑戦が決まったのでした。 

6月14日(木)〜16日(土)

函トラチームのアイアンマンジャパンの開拓者でもある鎌田さん夫婦と、こんなトライアスリートになりたいと目標にしている中西さん夫婦、そして北海道に加藤ヒロコありと言われる、ヒロコちゃんと我が家の鬼嫁との7人で長崎・五島列島へと向かいました。


















羽田、長崎、五島へと乗り継ぎ、バイク組立て、登録、競技説明、開会式、カーボパーティー、試泳と慌しく2日間が過ぎ、当日を迎えました。


6月17日(日)AM7:00スタート 

〜スイムパート〜

アイアンマンのスイムは3.8kmです。
二等辺三角形を逆にした形で約900m沖に出、波と平行に200mほどを泳ぎ右折、ビーチに波と平行に200mほどを泳ぎ右折、ビーチに戻り、いったん浜に上がってコーンを廻り2周目へと向かいます。

昨日の試泳の時は波、うねりが高く、波頭の時には足が空打ちし、谷の時には海老反りになり、最悪波酔いになりそうなほどでした。

ところが当日、昨日とは打って変わって無風ベタなぎ状態、過去7年間で最高のコンディションだそうです。

約800名がスタートする為、沖合い100mで立ち泳ぎしてます。函トラチームの4名は先頭から10mほど後方、全体から見るとかなり前のロープ際に位置しました。
密度的には1メートル四方に5,6人、一斉に泳ぎ始めるとどうなるか想像がつくでしょうか?


ホーンが鳴り、エリートがスタートしました、誰かがシュプレヒコールのような雄たけびを上げ、みんながつられて拳を突き上げテンションが高まります。
2分後、2度目のホーンが鳴り、さぁエイジのスタートです。

頭を叩かれるのは当たり前、呼吸しようと思うタイミングで沈められたり、そうかと思うと、コースロープを手繰り寄せ、忍者のように進むヤツ、一定のリズムで足首を掴んでくるヤツ、「なにをしたいんだ?」と言いたくなる位見事なまでに曲がってくるヤツ、指でゴーグルが引っ掛けられそうになった時には焦りましたが、1周目の後半には適度に散らばり、泳ぎに専念できました。
いったん浜へ上がり、すぐに函トラ応援団を発見!
見事なまでの位置取り(笑)、時計を見ると35分台だ、小さくガッツポーズして2周目へ。

2周目になるとバトルが無い分だけ余裕が出てきます。ゆったりとしたピッチでしか泳げないので、海底の様子を楽しみながら泳ぎました。

真っ青で熱帯魚のような小さな魚もたくさんいましたヨ。

ヘッドアップが苦手ですが、ロープ沿いを泳いでいたので潮の流れへの対応も出来ました。
最大限ウエットスーツの恩恵を受けてスイムアップ。

〜バイクパート〜

さあ、楽しみにしてた180kmのバイクパートだ!

昨年から比べると峠のような長い坂は無くなったとか。バイクの序盤は結構人が多い、マーシャルもひっきりなしに周ってくる、基本的にキープレフトだが、ドラフティングを取られたくないのでセンターライン側を走る。


それにしてもなんと外人さんはバイクが強いんだろう!登りでは「ガンバレ、ガンバレ、トモダーチ!」と励ましながらグイグイ登って行く、あのパワーには驚きだ!ところが、15km地点付近で緊急事態発生!ちょっとした集落の商店街の狭い交差点を直角に左折する地点。

ギャラリーが数十人、前を行く3人が結構なスピードで曲がったので自分もと思ったが、ちょっとオーバースピード、ブレーキをかけるが下り気味なので減速しきれない。
仕方なくそのままリーンを強めて抜けようと思ったが、下水か何かの段差にブルーシートが張ってあり、それに目を奪われバイクの倒し方が甘かった、思わずバイクが横を向いたままブレーキをかけてしまった、「ヤバイ!」2輪とも横滑りのまま緩衝用の畳に肩から激突!!「ドーン!」無数の何かががコマ送りで飛んでゆく。

「あぁ、俺のアイアンマンが終わった」「石田さんや相馬さんもこんな感じだったのかなぁ」一瞬でこんな事まで頭をよぎった気を取り直し立ち上がり、身体よりまずバイクを点検した。

サドルが曲がっている、チェーンが外れている、動かしてみると前輪がグニュグニュしている「完全に終わった・・・」散乱していた補給食を拾い、拾い切れない物を近くのギャラリーの人にお願いすると、「えっ?まだ走るんですか?」「行ける所まで行っててみます」「さすがアイアンマン」「ガンバレ!」と声援を受け、複雑な気持ちのまま走り出す。


しかし数百m行くと徐々にグニュグニュが弱まってきて終いには振れなくなった。
サドルは捻れたままだがそんな事どうでも良い、今はは走れる事がうれしい!景色を見れる事が嬉しい、島民の声援を受けられるのが嬉しい、そして何よりゴールを目指せるのが嬉しい、それからは何度感謝しながら走っただろう。

何ヶ所かあった10%を超える激坂でも走れている事が嬉しかった。
一度諦めたレース、全力を出し切ろう!


〜ランパート〜

トランジッションは随分混んでいた。
高校生らしき男の子が良心的に一人づつサポートしてくれる、ありがたい。
函トラ応援団の熱烈声援を受け42.195kmスタートする。

トライアスロンを始めて気が付いた事だが、バイク後のランはスピードド感覚が大幅に狂ってるようだ、約3km地点だろうか?
中西さんとすれ違う、脚が痙攣しているようだが歩を進めている。

復活を願いつつ自分も次の折り返しへ向かう、約6km地点、復活した中西さんとすれ違う、「さすがだ!」10分くらいの差だろうか?20km地点では追いつかれているだろう。

それにしても暑い、MAEさんがオロロンで復活した「両肩にスポンジを挟むゾ」作戦をしようと思ったが、スポンジはどこのエイドでも無いようだ。

しからば槇本先生が使った、「帽子に氷」作戦だ、自分の場合は頭が凍傷になる恐れがあるが仕方あるまい。

キロ6分台まで落としたが呼吸は荒いままだ、水、CCD、コーラ、BCAA、塩など交互に取るが、一向に良くならない、何がナンダか解らない??






10km地点で今泉奈緒美、16km地点で塩野絵美に周回遅れにされながらも何とか函トラ応援団に激を貰い2周回へと向かった。残り18km、とにかく我慢だ。


それにしても、ここ五島島民の応援は熱烈だ!島民全員が応援してくれていると思うくらい、家がある所には必ず応援者がいる。

そして、元気なおじいちゃん,おばあちゃんが多い。南国気質なんだろうか?何かを叩きながらも楽しんでいるようだ。










何度名前を呼ばれたろう、何度「北海道からありがとう」と言われただろう、こちらこそ「ありがとう」です。

オロロンの時もそうでしたが、30kmを超えるあたりからはもう自分の力だけで走りきれる領域ではないと思いました。

その、土地土地での熱い声援と、喜びも不案も分かち合える仲間からの応援と想いが、脚が止まろうとするきっかけを奪 っている。


五島の街並みに入ると残り3km、沿道の応援が多くなり、ゴールに近づくにしたがって「ガンバレ!」「キバレ!」から「おかえり!」に変わってきた。


太鼓に導かれるように城内に入ると、妻が待っていた。

トライアスロンジャパンで見たことのある花道を進むとフィニッシュゲートが見えた。

前が詰まっていたので残念ながら ガッツポーズが決められなかったが、フィニッシュゲートをくぐった瞬間、今までの困難が何かへと昇華されたような気がした。


 エピソード 1   〜 激 走 〜

時間には余裕を持って移動しているのだが、余裕があるのでバスなどは1本前の便に間に合いそうになることがあった。
その時、手荷物の少ないヒロコの出番である。
バスを見つけるや雨降る中を、猛ダッシュ!走り始めたバスに追いつき、同じスピードで走り、ドライバーに向かって叫び、そしてバスを止めた・・・。
さすがである、しかも大きいリュックを背負って・・・。^_^;

 エピソード 2   〜 ひき逃げ 〜


妻以外はアスリートなので歩くのが速い。
妻はキャスター付の旅行ケースを引きながら、ガタンガタンとキャスターが何かを乗り越えるのを感た。
立ち止まって振り返ると、おじさんが両足の指を押さえて痛がっている。
妻はおじさんと目と目が合ったが仲間を見失いそうだったので、その場を足早に去った。
その、一部始終ををケコ様は見ていた。

 エピソード 3   〜 丸美屋食堂 〜 


名物の五島うどんを食べられる店を探していた。
うまいと評判の店が休みのため仕方なく入ったのがこの丸美屋という食堂だった。

この店には“志村けん”がコントで演じるモデルになったと思われるおばあさんがいた、歳はゆうに80歳を越えている。
身体を前のめりに倒し、頭で長い暖簾を押し開いて出てきた。
メニューは30品目ほどあるのだが、五島うどん以外は「あ”?」「え”?」と聞こえないふりをする、五島うどんを頼むと「五島うどんネ!」とキッチリ聞こえていた。
うどんを運んでくる時も前のめりだから勢いが付き止まりたい所から1,2歩過ぎたところで止まる。
ちなみにうどんが出てくるまで30分かかった。


2007 アイアンマンジャパン公式記録(函館参加選手の記録)
総合順位 氏 名 総合記録 スイム バイク ラ ン Age
89 赤浜浩二 10:51:29 1:14:19 5:54:03 3:43:07 2/66
217 杉村保則 11:59:00 1:19:55 6:14:51 4:24:14 20/109
248 加藤弘子 12:12:49 1:27:50 6:44:50 4:00:09 2/8
276 中西新一 12:26:00 1:27:17 6:19:38 4:39:05 11/52
368 鎌田紀美男 13:04:01 1:29:26 7:13:13 4:21:22 18/52




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