70.3とは70.3マイル、3種目ともロングの半分の距離にしたトライアスロンレース。 アイアンマンの組織下で行われ、10月の満月に一番近い土曜日に行われるアイアンマン世界選手権の正式な予戦の一つになっている。 プロたちはフルディスタンスの連戦で疲労が蓄積することを嫌い、予戦はハーフを選ぶのが主流になりつつあるとか このようなレースをアイアンマン70.3と呼ぶ。 今回のハワイのトライアスロンもそのような予戦の一つ。 この大会の常連である富田訓司さんに誘われて、参加することに決めたのが2006年年末のことでした。 もちろんハワイスロット(世界選手権出場権)などと大それたこととは無縁。 しかし、ありがたいことに制限時間が8時間30分もある。 ここ2年間オロロンで敗北、完走のゴールテープの感触をしばらく味わっていない。 どんなやさしいレースでも良い。ともかく完走すること。 そして、命の洗濯、遊びかたがたというより、アフターレースの観光に主眼を置いて出場を決めた。 マッキーもあれほど水泳を敬遠していたのだが、ハワイというエサにつられて参加を決めた。 我が家は何事も、出来る見込みがあるから参加する。では無く、参加申し込みをした、仕方なく練習をする。すべてはそこから始まる。 マッキーは年明けより大慌てで水泳入門。 黙々と水泳のトレーニングに励んだのでした。 完走の栄誉というレベルではなく、命が懸かっているというレベルであった。 ようやく2000m続けて泳げるようになったばかり。 海水はよく浮くから大丈夫、プールの倍の距離平気で泳げるからと励まして(騙して?!)、出発。 成田空港からおよそ8時間で、ハワイ島コナ空港へ到着。 時差は19時間。というより前の日の五時間後と考えるとわかりやすい。 コナは10月のアイアンマンのスタートとゴール。 今回はコナから45kmくらい北上したところにある マウナリゾートとハプナビーチが会場となる。 オロロンにたとえると、増毛羽幌間を省き、羽幌を、基点にして、北半分にコースとりをしたような感じ。 ハプナビーチでスイム。 広い見通しの良い白砂ビーチ。 溶岩が砕けた黒砂がこの島の本来の砂、昔にどこからか巨費をかけて白砂を運んできた人工のビーチ。 それでも自然の包容力と恵みで透き通る美しい海で、熱帯魚がよく見える。 勝負を忘れ、見入ってしまいそう。 バイクはあのアイアンマンハワイのコースの北半分を使う。 10月のアイアンマンハワイは、南半分は単調な溶岩台地を直線で進む。 北半分はアップダウンと、緑も濃くなり、比較的変化に富んだコース。 コナウインドも北半分です。 コースの単調な部分を省いて、面白い部分をいいとこ取りをした感じ。 ランはマウナラニリゾートをフルに使ったコース。 リゾートの高級ホテル、コンドミニアム、別荘、プライベートビーチ、ゴルフコースなどの中を縫うようにして走る。 普段ならゲストしか入れない場所を縦横に横断。 美しく変化に富んでいる。 勝負を度外視すると、退屈しない楽しいコース。 勝負にこだわる人には、ゴルフ場の芝やビーチの砂は足を重くする。 ゴルフ場には高さ3−4メートル、長さ50mくらいの、小さなアップダウンが多い。 変化があって楽しそう。 これも、勝負にこだわる人には重荷となる。 5月31日夜成田出発 5月31日昼ハワイ島コナに到着。 ホテルのチェックイン、レースの登録、バイクの組み立てなどをあわただしく行う。 ホテルはゴールのマウナラニリゾート内のフェアモントオーキッド。 準備が終わったらホテルのビーチでスイム練習。 マッキーはびびって沖に行かない。 何とかなだめすかして、50m先の岩礁まで泳がせる。 そうしているうちに、足の裏を切ってしまい、出血、練習中止となる。 とにかく深いところを泳いだのだから、あとはいくら沖に行こうと同じであることを説明、本番まで応急処置して、そっとしておくことにした 。 6月1日レース前日 バイクをスイムとバイクスタート地点のハプナビーチに運ぶ。 シャトルバスは人間の運搬だけで、バイクは自分で運ばなければならない。 約10マイル(約16km)。 溶岩台地の炎天下。雲ひとつ無く、容赦なく太陽が真上から照りつける。 まるでフライパンに乗せられたよう。 道路はあくまでまっすぐで、上下にうねっている。 だらだらのアップダウンの連続。 道路はずっと先まで見えて、逃げ水とかげろうが揺れている。 レースなら心構えも出来ており、何とかなるが、これは堪えた。 ただの自転車の運搬と思い、補給も無く軽装でいったのがまずい。 そして、あすこれを90kmも走るのかと思うと、気が重くなった。 この運搬はレースと同じ格好をして、補給もおなじく装備し、日焼け止めなどの防御処置も同じようにしておく必要があったと思った。 太陽に焼かれて、夜眠りを妨げる原因になった。 その後競技説明会など。 後は食事を取って、ひたすら眠るのみ。体が火照って眠れない。 明日のレースを考える。 ついて泳ぐか、自分で自立して泳がせるか迷う。 横になって目をつぶっているだけで疲れは取れると開き直って、長い夜を過ごす。 有る意味、レースよりつらい。 ただ制限時間に余裕があるのが救い。 体調万全でなくても、落ち着いてゆっくりやれば完走くらいは大丈夫だろう。 6月2日レース当日 朝4時起床。 サトウのご飯をゆでて、あんかけをかけて朝食とする。 レース当日の朝だけは、米の飯を食わなければならない。 シャトルバスでレース会場に向かう。 バイクセット、空気をいれ、バイクトランジッションをセットする。 水着を着て、いよいよビーチに向かう。 日焼け止めは肩から首の後ろに塗る。 手足は黒い方がかっこいいと思って、塗らなかった。 これは後で後悔することになった。 ★スイムスタート アメリカ国歌が歌われ、終わると同時に号砲がなりスタート。 バトルをさけるため、後方よりスタート。マッキーがびびってなかなかスタートしない。 なだめすかしてようやくスタート。 心配なので隣を泳ぐ。顔が上がり、泳ぎが硬い。150mくらいでリズムが乗らないため、立ち泳ぎ。 もうやめるという。そして浮き沈みを始めた。 こりゃだめだ。手を後ろに添えて、あごを起こして、落ち着ける。 サーフボードのレスキューが寄ってくる。 レスキューにマッキーを渡して、ここにマッキーのデビューはスイム150mでリタイアとなった。 (やはり、ウェットスーツの大会で場数を踏んで海に対する恐怖感をなくしてからの参加が正解だったようです。 泳力は一応2km泳げるレベルになったのだが、外海に対する恐怖感はまた別物。 本人は至って元気で、鯵ヶ沢でリベンジと張り切っています。) 気が抜けてやめたくなったが、気を取り直して戦列に復帰。 最後方から追い上げる。 ふつうスイムは、有る程度行くと同じ泳力レベルのものと並ぶので、ルール公認のドラフティングで楽できる。 ところが、隣や前をみるとどう見てもひどいレベルの泳ぎ仕方なく抜いていく。 しかしともあれ、ハプナビーチの青い透き通った海で熱帯魚なども見れて楽しいスイムでした。 丘に上がる。 バイクスタートまでスイムの時間。 バイクラックは小高い丘の上に有り、結構走らされました。 スイムタイムはそういったプラスアルファがあります。 ★バイクスタート ウェットスーツなしのスイムは倍疲れる。 丘に上がった河童状態ですぐにリズムに乗れない。 しかも最初は悪名高い溶岩台地の直線道路。 まるでフライパンに乗せられた魚。 ひたすら辛抱し、バイクも北上すると溶岩台地も終わり、緑が濃くなる。 その代わり、アップダウンと有名なコナウィンドが吹いてくる。 何とこの私が、上り坂でゴボウ抜き。 日本の大会ではありえない出来事が起こりました。 向こうは太った人が多く、この私でも、前後を走るライバル達と比べれば比較的スリムな方なのです。 制限時間に余裕があるので、転がったほうが速いようなすごいデブの人がいっぱいいる。 それでも、スイムとバイクの平地はすごく強い。どうだ、日本男児は牛若丸だぞ! まいったか! と心で雄たけびをあげながら抜いていった。 いつもデブの悲哀を感じていましたが、こんな優越感を覚えたのは初めての体験でした。 ★ランスタート ランは猛暑の中、しかし変化に富んだ退屈しないコースでとても楽しめて走れた。 暑さ対策は帽子の中に氷をいれて、そのままかぶってはしる。 エイドの度に氷を入れ替える。これでバッチリでした。 帽子はキャップでなくてハット。 メッシュのおばさん帽子を使用。 奇妙な格好だが、氷が解けて、頭から首筋まで冷やしてくれる。 日差しから首の後ろを完全に守ってくれる。 いたるところで、ナイスハット!、グレートハット! と声を掛けられました。 バイクの上り坂で抜いたデブ共に、歩いて抜かれる!という屈辱シーンにも我を忘れないよう自重してペースを守る。 このタイムでも一度も歩いてはいない。ホントです。 しかしアメリカのデブ共はタフだ。 はなから走る気はない。しかし歩くのが早いこと早いこと。 制限時間の長いトライアスロンのレースはこういう人たちの出番も作る。 制限時間を少し残してゴール。 3年ぶりのゴールテープで気分良かった。 総合 8時間18分3秒 スイム 54分10秒 バイク 3時間45分44秒 ラン 3時間24分20秒 でした。 気候は快晴で、32度。 同行した富田訓司さんが70〜74歳のカテゴリーで優勝。 見事10月のアイアンマンハワイ世界選手権の出場権を獲得した。 6時間56分15秒 スイム 47分26秒 バイク 3時間19分57秒 ラン 2時間37分23秒 2位に15分の大差。 バイクもランも1位という完全勝利。見事でした。 これで3回目の出場になります。 アフターレースはアイアンマンの聖地巡礼も兼ねてハワイ島めぐりをしました。 ◎感想: トライアスロンの本場アメリカでのレース。 誰もドラフティングしていない。 きちんと路肩を走っている。 用足しはエイドに用意された簡易トイレでしている、だれも立ちションなどしていない。 ごみを落とさない。 応援も私のランの速さでは歩いている人が多く、走っていると大きな声援をくれる。 総じてルールを守ることに厳格で、マナーがよい。 トライアスロンの本当の面白さをわかっていてそれを形にしている。 トライアスロンの原点を味わえる大会でした。 マッキーは来年是非リベンジしたいとの事、しかし長い休みの確保などレースよりも、スタートラインに立つまでが大変な大会でもあったが ともかく楽しかった。 |
宿泊したホテル、 フェアモントオーキッドホテルのバルコニーで |
火山の女神ペレ いい男は吸い込まれるとか、危なかった?! |
![]() 溶岩が道路をふさいでいるところ、溶岩台地の雰囲気を見てください。まさにフライパンです。 右側は70〜74歳のカテゴリーで優勝した富田さん |