
〜限りなき自己能力への挑戦!!〜
2006.10.8
BY TONAMI
快適な生活が出来ようになればなるほど、自然の恵みを忘れ、自然とのコミュニケーションを忘れ、心の豊かさというものを失っていくのではないだろうか。人間のすべての生活が、自然の恵みから生れてくるのを忘れてはならない。 長谷川恒男(パンフレットより) 6月30日 昨年自信満々で挑んで、完走は果たせたものの思いっきりはじき返された思いのオロロントライアスロン、リベンジに燃えていたはずが出遅れて気になっていた矢先に届いた「参加不承認通知」やらなくて済むんだという安心感と同時にやっぱりショックも大きかった。 ただショックは引きずりたくない、せっかく出来てきた体を無駄にしたくない、山岳耐久レースって何時だっけ?以前、布施さんが紹介してくれていたレースが一気に頭を独占してしまう、3ヶ月ある、間に合う、その日のうちに決断。 練習 調べていく内にこれは半端ではないぞ、とにかく長い時間動き続けられる体作りをしなければ・・・・幸か不幸か6月はじめに起こしたスピード違反で免許停止処分をうける、運転のできない僕は家族にとって用無し、週1度の休み全部練習に向けられる。 横津岳を中心に8時間〜11時間走=5回 4時間半〜6時間走=5回 休日一杯になるまで走り平日は体を休めることに徹する。 10月7日 台風16号の影響の低気圧でフェリーは止まっていたが飛行機は大丈夫との事一安心、函館発の最終便で東京へ、不慣れな東京少しでも会場の近いほうがと立川に宿を取る。 11時半 立川ワシントンホテル着。明日は夜通しのレース、睡眠時間だけは充分とって於きたい、ここまで来ておけばチェックアウトぎりぎりの9時半まで寝ていられる計算、レースの前は気持ちが高ぶって寝つきが悪くなるので、睡眠導入剤の力を借りて12時半就寝。 10月8日大会当日 朝6時トイレに眼が覚める、いつもならそれからまた一眠りだが、やっぱり今回は少しでも多く寝て於きたいと言う気持ちが強過ぎる為か、逆にすっかり眼が覚めてしまう。 1時間ほどベッドの中にいるがやっぱりダメ、諦めてカーテンを開けると、「わっ、富士山だ!」山頂に雪のかぶった富士山が5合目ぐらいまで見えている。 ![]() 嵐の後の・・・・で、ほとんど雲のないさわやかな秋晴れ、天気は良いのだが気持ちがすっきりしない、出場を決めてからこの3ヶ月間自分なりにいい練習ができたと思う反面、まだまだ足りてないじゃないかという不安と函館ハーフが終わってからどうも体調が優れない、おまけにこの寝不足では・・・昨年のオロロンの舞台に立った時の様な自信に満ちていた気持ちとはまったく違っている。一応目標は18時間、天気しだいでは17時間も・・・とも考えていたが今日の体調ではとにかく無理をしない、とにかく完走を、「急がない」「休まない」「諦めない」で・・・ 10時、立川駅から五日市線で会場のある武蔵五日市駅へ、ここまで来るととても同じ東京とは思えないぐらい閑散としている。皆な同じ格好をしているのでだまっていても会場に連れて行ってくれる。 11時30分、受付と荷物検査、「何回目ですか?」「初めてです」「水はどのぐらい?」「2.5gです」「食料は?」「おにぎり3個とミニクリームパン5個です」「それだけ?」「え、たりないですか? あ、サプリメントはたくさん持ちましたけど・・・」「うーん 大丈夫でしょうー」なんか不安にさせる言い方だ・・・ 12時 グランドで結構なスピードでアップをしている人がいる、こんなレースでも必要なの? 12時30分、いよいよ開会式、現在の気温25℃との事、でも北海道の様に空気が乾いていてそんなに暑さは感じない、このレースでの最高峰三頭山(みとうさん)13℃、夜は放射冷却現象で5℃位まで下がるのではないかとの事。 まずはスタート位置 プラカードに10時間以内、12時間以内、16時間以内、20時間以内とある、今回のテーマである「急がない」の為に真ん中より後ろに、それでも12時間以内の最後尾である、「皆なそんなに速く走れるの?」である。 午後1時、いよいよスタート グランドを出た途端一斉に走り出す、思っていたより早いこの位置でもまだ後ろから追い抜いて行く人がいる。ガマンガマン! 山道に入る手前あたりからいよいよ渋滞が始まる、少し進んではまた渋滞を暫らく繰り返す、一応連盟から送られてきたマップは何度も眼を通していたはずなのにほとんど頭に入っていない、予備関門を過ぎて暫らく行くと10キロの旗が、此れはまったくの想定外、平地と山道との感覚がこんなに違っていたとは、ランナーの感覚ではもうとっくの昔に10キロなんか過ぎている。 ![]() 第1関門 (22.66km) 4時間53分52秒 午後5時54分・(スタートしてから4時間54分)予定よりだいぶ遅い、普段時計をしない付けがこんな大事なレースで出てしまう、いつの間にかラップを刻むつもりがリセットになってしまっている。 地図に書き込んだ18時間で走る為の第1関門の通過時間は4時間30分だったはず、ただ時間の事はほとんど気にならない。まだ気力・体力とも充分。 三頭山避難小屋 リュックに背負ったタンクの水(2g)が空に、予備の水(500cc)に手を付ける第二関門で水の補給があるがそこまで持つか心配、ベンチが在るが「座らない」、ハンドライトを置いておにぎりを食べていると、横から「まぶしい!」という声が「あっ、すみません」と、とっさに謝って灯かりをずらす。 でも考えてみると後から勝手に明かりの中に入ってきて怒鳴ることはないだろう、せめて「まぶしいので灯かりを少しずらしてください」位いえないか!!面と向かっていえないので心の中でしっかり叱り付けてやる。 三頭山からの急な下りを過ぎるとやがてこのコース途中随一の舗装路へ、オフロードばかり走っていると舗装路は足に来る、前を行く人ほとんどが歩いているがどうも舗装路を歩く事に罪悪感を覚え頑張って走り切る 第二関門(42.09km)9時間24分56秒(通過予定時間10時間) 給水を限度一杯の1.5(g)もらいその場で300ccほど飲み干しリュックから食料をポシェットに詰め替えてスタート、とにかく「休まない!」。 第二関門の駐車場を出るとまた急な下り、膝が笑っている最後まで持つか心配、岩場や階段は足を一歩出しては揃えまた一歩の状態、さっきから後ろから来る人が次々追い越していく、軟斜面で追いついては急斜面で離される。この繰り返し、中には岩場でストックを操りながら飛ぶ様に降りていく人がいる。 山の経験の乏しい僕には急斜面は、谷に真逆さまに降りていく感じがする、下りが長ければその分登りが待つ、トレイルランの延長か?という甘い考えで挑んだことを悔いる。また壁のような上り、もうここまでくればもうゾンビのように一歩一歩踏みしめただただ前の人についていくだけ、暫らく行くと追い越すつもりもないのに道を譲られる、その前の人にまた静かに付いて行く、暫らく行くとまた譲られる。 何度か繰り返し先頭に立ってしまう、先頭に立つと進む進路がわからない今度はハンドライトで登れる岩を探りながら歩くことになる、灯かりで探っていると岩の間に人が・・・・寝ている・・こんなところで?・・・暫らく行くと今度は動かないヘッドライトが・・こんどは座ったまま・・・人間限界まで来るとどこでも寝られるらしい、とにかく長いどこまで登るのか・・・・・・ 後ろを振り向くとジグザグにずっと続くヘッドランプの灯かり、この光景見たことある、以前テレビで見た富士山のご来光に向かう蛍の行列だ。ああーこんなに登ったんだ、疲れてはいるが気持ちがいい。 山に魅せられる人の気持ちが少しだけ解かる様な気がする、やがて山頂、標識を見ると惣岳山山頂と書いてある、いくつかあるベンチは休んでいる人と寝ている人で一杯、無性に休みたい衝動に駆られる、でも休む訳にいかない、このレースを挑むときに決めた [急がない]、「休まない」、[諦めない] 「スタートからどんなに抜かれても我慢してきたじゃないか!」と、弱気を振り払い通過するが、後は下りと思ったのがそのまま次の御前山の山頂へ向かう、たかだか400mの登りがこんなに長かったとは・・・・・ ![]() 第三関門(58Km)13時間44分38秒(通過予定時間15時間10分) とっくに時間の観念がなくなっている、地図に書き込んだ予定時間も第三関門が有った事すら忘れていた。 60キロ表示 10キロも、20キロ、30キロも・・・10キロごとの距離表示があるが見る度に愕然とする、間違いではないかと思ってしまう、甘い距離の期待はしていないつもり、それでもあまりにも平地と違いすぎる。ただここまで来るとなだらかな下りが続く、下りは走れるがほんの2・3%であろう上りでも息があがる、もう走れない。 最後の難所?日の出山へ、たかだか7・80mの上り、元気な体なら何て事のない階段がやけに堪える、ずっと前からゆっくり、ゆっくり上る前の2人にただ幽霊の様に付いて行くだけ、ここはロープウェーイで登れるらしく道は広い、でもどんなにゆっくりでも追い越す気持ちはまったく起きない。 日の出山山頂展望台、大勢の人が座って夜景を見ている。大会スタッフの「夜景が綺麗ですよ」の声につられてそのままベンチへ、初めて腰をおろす、最後に残ったおにぎりを食べていると隣から声をかけられる「着くのは5時頃になるでしょうね」、「ああそうですか」と久しぶりに時計を見る午前3時20分、「もう14時間も走ったんですね・・・・」こんな時間まで起きているのに眠いという感覚がまったくない、食べ終わるとすぐ腰を上げる、一番後に来て一番先だと思う「休まない」 山頂からの階段は雪のある北海道では考えられないような急勾配で段差もきつい、膝がきつい、一歩一歩降りているとまた後ろからどんどん追い抜かれる。軟斜面になるとまた追いつく、ただ軟斜面が続くせいか体がみように楽、今ごろランナーズハイの状態に成っている様だ。 後5キロの標識 、ずっと頭に浮かぶ距離を打ち消しながら走っていたので、日ノ出山からの6キロが始めて短く感じる。もう大丈夫、急斜面でもブレーキをかけるのを止める。 腰を前に出し腕の力抜いて一気に下る。遠くに在ったヘッドランプの灯かりが一気に近づいてくる、こんな抜き方のできるのはランナーになって初めてだろう、とにかく気持ちが良い、最後にこんな力が残っていたのが自分でも信じられない。 町に入ると係員が「ガンバッテ!後500mですよ!」前にいる1人を抜きにかかるが相手もスパート、さすがにもう付いていけない逆にどんどん離されてゴール、午前4時51分 レース後 完走証を受け取り一眠りしようと体育館へ、皆な寝ている寝袋で・・・・・そうだよ、こんな格好では寒くて寝られるわけがない・・・・・どうしよう・・・スタッフに話すと温泉で仮眠室を用意しているとのこと、ありがたい!!!送迎バスを待っていると、グランド越しに太陽が、気持ちいい!!!! 記録 通過人数 第1関門 4時間53分45秒 891位 1991人 第2関門 9時間24分56秒 608位 1712人 ![]() 第3関門 13時間44分38秒 502位 1519人 ゴール 15時間50分45秒 471位 1515人 検証 結果には大満足。今の持っている力は充分出し切ったと思うが、ただ練習が間違っていた。 横津岳でトレイルランを中心の練習をしていたが、横津岳よりはまだ恵山でやった方がよかったのではないだろうか。 後から結果を見て随分順位を上げていたことに自分でも驚いた、各山頂に休でいる人が多かったので「休まない」事が結果的に順位を上げる事になったと思う。 下りでの膝を支える筋力がまったく足りない、僕の力でもスタートで2・3キロ飛ばして良い位置取りをする事ともう少し下りに耐えられる筋力をつけるだけで1時間ぐらいは縮まると思う、でもスタートであんまり頑張り過ぎるとつぶれる可能性も・・・・・ 装備 服装 半袖のドライTシャツにショートスパッツの下に冬用のアンダーパンツ、三頭山山頂でアームウォーマーと手袋を付けたが最後までそれだけ通せた。 使わなかった装備 長袖で綿のTシャツ・レッグウォーマー・薄手のカッパ上下 靴 一番迷ったが3・4年前に富士登山走を目指していたときにバーゲンでトレイルラン用が1足だけ売れ残っていてサイズも大きかったが値段につられて買ったシューズだったが大正解。 スパッツ オフロードの練習で絶対必要と感じる、スポーツ店に見に行ったがあまり種類がなく、靴下を利用してスノーシューズのようにしてみる、「会場ですごい工夫ですね」と言われたが、ちょっと恥ずかしかった。 ハンドランプ スーパーファイヤー5W ネットでランプマニアが最強と薦めていたもの、確かに1番明るかったと思うが、その分電池が持たない(リチューム電地3×4回=12個使用)、途中何度か「それどこのメーカーですか」と聞かれるが、どうもそうゆう事に無頓着なので覚えていない「すみません、ちょっと解かりません」としか答えられなかった。 ヘッドランプ ナショナルハイパワーLED まずまずの明るさリチューム電地2個で最後まで明るさが落ちなかった。 サプリメント パーワーバーGEL×6個 アミノバイタルプロ×6袋 森永カルニチン・CoQ10×15カプセル 今回レースで始めてサプリメントを使ってみる。最後まで「諦める」と戦わずに済んだのはこれのお陰だと思う ザック 何リットルかよくわからない。いつも練習で鎖骨の所が擦れていたが夜のレースで汗が少なかったせいか大丈夫だった カメラ 後で写真に刻まれる時間とマップとで検証しようと持参したが電池切れでほとんど役にたたなかった、馴れない事はするものじゃない。後で娘に言うと電池満タンのマークを電池切れと勘違いしていたらしい「そんな事も知らないの」、と散々バカにされる マップ 1度も開くことはなかった。前もって何度も見たつもりだったがほとんど頭に入っていなかった。 |