2003 オロロントライアスロン初挑戦

2003/8/24
By Shinichi Nakanishi

 トライアスロンをはじめて2年目、無謀にも日本最長のレースに申し込みをしてしまった。
苦手のスイムはウェットスーツを着ての2kmなので何とかなるだろうが、問題はバイク、200.9kmの後のラン41.8kmを走りとうせるか?これが一番の不安だった。


大会当日、前日までの荒天が嘘のように爽やかに晴れ渡り、絶好のレース日和に。

〜SWIM〜
号砲一発、スイムスタート、ここで弱気になっちゃいけない、バトルもいいじゃないかと、比較的前の方で入水スタート、以外にもバトルはさほどでもなく、プールを使ったレースよりずっと泳ぎやすかった。何度か苦手なクラゲと接触しながらも順調にスイムフィニッシュ、タイムは38分台、うそ〜、出来すぎ!
シャワーでは会長、谷さん、成田さん、弘子ちゃんと一緒だ、これからの長いバイクパートも楽しいレースになりそうな予感。
トランジッションでは、長丁場に備えてバイクウエアーに着替え、日焼け止めクリームをたっぷり塗ってバイクの所へ。そこで我妻よりきつーいお言葉、「遅い!なにやってんの」
いっしょに上陸した仲間はとっくにバイクスタート、せかされるように後を追う。


〜BIKE〜
やがて谷さんに合流、しばらく共走するもメンテナンス、バッチリのはずがチェーンが外れ一時停止、谷さんははるか前方〜視界の外へ。ここはあせってもしょうがない、先が長いのだからマイペースで行こう。
ところが気になってた左足首の影響で自己防衛機能が働いたのか、なかなかマイペースにもならず、登りでは抜かれっぱなし、下り〜平地で何とか追いつくのだが、また登りで抜かれる、その繰り返しだ。

200.9km先のバイクゴールは遠い、12k〜28kごとのエイドステーションが砂漠のオアシスのように思えてくる、そこで水分や食料の補給し次のエイドへと向かう。
各エイドのボランティアの人たちは選手のため一生懸命に声を出し、忙しそうに動き回ってる、まったく頭の下がる思いだ、ご苦労さん、ありがとう!!
何キロ地点だったろうか?石やんと我妻が車で追いかけてきて力強い応援、それからしばらく走ってると今度はマッキーが手を上げて通り過ぎていった、そんな身内の応援は本当に心強い、最強のスペシャルドリンクだ。

レース直前に、サドルやDHバーの角度を若干変えたせいか、尻の痛みが早くも50kmくらいから出てきた、景色など見る余裕もなくなって、ペースもさっぱり上がってこない。
60km手前、苫前町あたりから登って下って、また登って下ってのアップダウンの連続に、まるでジェットコースターのようだ。そんな登りを元気一杯のおじさん、お兄さん達は立ち漕ぎでガンガンと登って行く、私は一番軽いギヤで相変わらず自重気味(先を考えるととても不安)。
それにしても、なんと風車の多い地域だろう、各町で競い合って風車を立てているのか?その風車のうち何基かは海側を向いて優雅にゆっくりと回っている、弱い風だが場所によってはいくらか後ろから押される感じで助かる。

100Kmを過ぎた遠別町あたり、長かったアップダウンが終わるころ、尻の痛みもあまり気にならなくなり、調子もだんだん上がってきた、今まで抜いていった人達に追いつき、追い越せるようになってきた。沿道で見守ってくれてる地元の人達の暖かい応援にも応える余裕も出て来た、だがスピードメーターの数字は大して変わってない、前半頑張った人達が落ちてきたのだろう。

130km手塩町あたりから行列がバラけて単独走になってきた、暇つぶしに右側に林立する風車を数えていたら、左側でカモメが低空でバイクと並走、しばしの退屈を紛らわしてくれた、カモメさんありがとう!
やがて、海岸線にお別れして右折し幌延町に向かう、わー、追い風だ、ペースもグッと上がり、前走車を次々抜いて行く、そんな時“チャリ〜ン”・・・またチェーンだ、盛り上がってきた気持ちもすっかり萎えてしまう、1歩前進、2歩後退・・・。

160km、幌延のロータリーで折り返し、今度は向かい風だ、メーターは24〜5Km/hにペースダウン、DHポジションでしばらく走ってると、見慣れた後ろ姿が見えてきた、向い風に挑戦するかのように全身を使って踏み込んでる、高谷会長だ。
「高谷さんガンバ!」「オー、どうした?」「何回かチェーンが外れて・・・」「ああ、そうか」「じゃ、先に行ってまーす」 残り30数キロ、ラストスパートだ!
だが向かい風、全身の筋肉もこわばってきてる、あと1時間半、頑張れ!自分に叱咤激励。
やったー、バイクゴールが見えてきた、タイム?目標の6時間台(トランジッションを抜かしてた)だ。着替えを受け取り更衣室へ、そこで先着の谷さんと合流、「ヤア〜この後走れるべか?」「なーんも、何とかなるもんだ」、さすがベテラン、余裕が感じられる。


〜RUN〜
谷さんが先に出発、すったもんだしてると高谷さんが更衣室へ飛び込んできた、「あらら、高谷さんご苦労さん」「オー」・・・、高谷さんシューズを履き替え、あっという間に出走、その後を追うように自分もスタート。おっと、意外と走れるじゃん!でも、会長は相変らずの全開走法で遠ざかっていった。
まもなく谷さんに追いつき「谷さんガンバだよ」「ハイ、はい」、余裕の走りだ。
また見覚えのある後姿が、あっ棟だっ!歩いてた、「ムナー、がんばれ〜」「止めたもうー、でもゴールまで行く」 えらい!さすが歴戦の勇士、でもちょっとがっかり。

入りの10キロ、5分10秒ペース、今のとこ楽なペース、終盤落ちてもゴールは3時間台かな?
そんなルンルンペースも例のジェットコースターコースに差し掛かり、一山こえるたびに、ズシッ、ズシッと効いてきた。左足首、両ふくらはぎ、大腿部の裏表、内腿、膝、肩・・・
乳酸で“はばけて”しまいそう。
そろそろ限界かな?ペースは6分オーバー、歩きたい、止まりたい、終わりにしたい・・・
油断するとすぐ止める理由を探してしまう。

膝が痛い、内転筋がつりそう、まだ半分も来てないのに、ゴール出来るのか???だんだんと弱気になってきた。相変らず登り下りは続く、2.5キロごとのエイドが救いの神だ、そこで一呼吸入れ、次の登りへ。30キロ地点あたりの長〜い登りで脚が止まりそうになる、1歩(実際は半歩)ずつ前に、右、左、右、左・・・あ〜辛い、オロロンなんかもう出てやらない!!。
この辺になると応援も少なくなり、日も西に傾いてきて、だんだんと寂しくなってきた。
車で応援の人達もゴール地点へ急いで過ぎ去っていく、その中にマッキーの姿も。
35キロ、内転筋がやばい、立ち止まって持参のバンテリンを擦りこむ、少しは楽になりまた走る、次のエードでエアーサロンパスを一吹き、また走る。

エイドの人に聞く、「もしかして、登りまだあるの?」「あと二つだよ」「え〜、」聞かなければ良かった。
最後の小さい登りをやっとの思いで登りる、ボランティアの人が笑顔で、「後2km、後は下りだよ」 なんと宮古島で一緒だった札幌の七戸さんだった、挨拶もそこそこに最後の力を振り絞りゴールへ向かう、下りも辛いが、どうやら最後まで歩かず完走出来そうだ。

ラスト1km、ゴール付近の喧騒は聞こえるのだが、なかなか見えてこない、もう少し・・・
最後のコーナー、あと数百メートル、音がますます大きくなる、ゴールへ向かう選手の紹介をしてるようだ、高谷さんから借りたビデオのシーンがよみがえって来る、その感動のシーンを今自分が迎えようとしてる。

ゴール前、我妻が見えた、思わず手を振った、応援に来てた職場の先輩が横断幕を持って走り寄ってくる、黄昏の中、3人で感動のゴール。
フルマラソンやウルトラマラソンでも味わえなかった達成感、充実感、そして幸福感でいっぱいになった。



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